第2章 アーノルド♡ハカチェ∞ソクラテスの追想(36)
頭部に包帯をメチャクチャに巻きつけられたクメは、まるで人造人間のフランケンシュタインのように見えたのだ。
そのフランケンが・・・ニューーーニューーーと、突然、立ち上がったではないか。
ア・ア・ア・ア--------アンタ、バカねー・・・バカですよーーー・・・・あまりの恐怖のため、私は反射的に現場から全速力で逃走を図った。
徒競走には自信があったのだが・・・しかし、敵もさる者・・・ジャイアント走法で、追跡してきたのだ。
私は、ストライド走法でグングンと引き離しにかかったが、さすがフランケン・・・・
距離を、グイーン・グイーーーンと、縮めてきたではないか。
後ろからミサイル攻撃をされたらどうしよう、斧を投げられたらどうしよう、チェンソー攻撃をされたらどうしよう・・・・・そう考えながら必死に走ったのだが、「しんみせ」の角を曲がるころになると、さすがのフランケンもスタミナ切れを起こしたようだった。
振り返ると、姿が見えなくなっていた・・・・・なんとか、振り切ったらしい。
あれだけの巨体を維持するためには、エネルギーの消耗が相当激しいはずだ。
私は疲労回復のために、正直屋で見つけたヘモグロビン酸Cを、グイーーーーンと一気飲みをしたのだ。
ク・ク・ク・ク・ケ・ケ・ケ・ケ・コ・コ・コ・コーーーーーン・・・・・隣の客は,カキ食う客ダーーー・・・隣の客はカキ食う客ダーーー・・・・ドッカーーーーン・ドッカーーーーーン・ドッカーーーーーーーーン!!!
まるで、タケがレットパンサーⅢに超変体した時のように、体の底からエネルギーがグイーーーーン・グイーーーーーンと、湧いてきたのだ。
蓄積していた大量の乳酸が、さわやかに消えていくのがわかった。
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やはり疲労回復には、タウリン多めのヘモグロビン酸Cが最高なのだ。
これは、正直屋のカネコさんが、旦那の権さんのために買い与えたものだ。
ゴボウのように細い権さんに・・・男らしく・たくましく・荒々しく・・・3拍子そろった完璧な亭主になってもらいたいとの願いから、マジメネット・ケダモノに1グロスを注文したのだ。
1グロスとは1ダース×1ダースで、とんでもない数なのだが、権さんラブ多めのカネコさんにとっては、金のことなどどうでもよかったのだ。
とにかく・・・男らしく・たくましく・荒々しく・・・3拍子そろったパーフェクトな亭主になってもらいたかったのだ。
しかし権さんは、ヘモグロビン酸Cの代わりに、岡本本家の清酒キンカメをグイーーーン・ン・グイーーーーンと飲みまくり、カメ師匠とタックを組んで八木節を踊りまくっていたのだ。
たんと落胆したカネコさんは、マジメネット・ケダモノから購入した1グロスというとんでもない数を、泣く泣く廃棄したのだ。
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そして・・・私は幸運にも、大量のヘモグロビン酸Cを秘密基地でもある、ジミー隊長の家の牛小屋で発見したのだ。
最初は、得体の知れないドリンクにとまどっていたのだが・・・空に透かして見ていると、不思議なことに、どこからともなく闇の声が聞こえてきたのである。
「飲めー!・・・飲むんだーー!・・・飲んでみろーーー!・・・おまえはヘモグロビン酸Cを飲んで・・・「男らしく・たくましく・荒々しく」・・・強い男になるんだんべーーー・・・ヒ・ヒ・ヒ・ヒ・フ・フ・フ・フ・・・隣の客はカキ食う客だー・隣の客はカキ食うだーーーーー・・・ドッカーーーン・ドッカーーーーン!!!」
私は、半分、闇の声に背中を押されるかのように・・・恐る恐る・・・少量を口に含んだのだ。
その瞬間・・・グイーーーーン・グイーーーーーン・・・・ア・ア・ア・ア・ア・・・イ・イ・イ・イ・・・ウ・ウ・ウ・ウ・・・エ・エ・エ・・・ンーーーーーーーー
きた・きた・きたんべーーー!!!・・・隣の客はカキ食う客だー、隣の客はカキ食う客ダーーーー!!・・・ドッカーーーーン・ドッカーーーーーーン!!!」
体の底から、力が満ち溢れてきたのだ。
恐るべしヘモグロビン酸C・・・1本、飲んだとたんに、その効能に気づいてしまったのだ。
一瞬で私は・・・「男らしく・たくましく・荒々しく」・・・元気少年に、超変体したのだーーーーーーーーー!!!
来月号に、つ・づ・く ♪ ♪ ♪
☆バンビー。
【語り手】アーノルド♥ハカチェ∽ソクラテス