第2章 アーノルド♡ハカチェ∞ソクラテスの追想(41)
やがて隊長は、グイン・グイーーンと瞳を輝かせながら、第3回戦に挑戦しようとしていたのである。
「いいか・・・チノビは卑怯者だ・・・きったねえ野郎だ・・・プタ野郎だ・・・チノビなんかに負けねーぞー・・・全員、歯をくいしばるんだー・・・!」
本当の所・・・卑怯者も、きったねえ野郎も、プタ野郎も・・・ズバリ、隊長の方だった。
団員たちは、歯をくいしばっても、勇気を出しても、残念ながら立ち上がることはできなかったのだ。
トラオが、コウモンを押さえながら、弱々しい声で発言をした。
「隊長、ズボンがねーから、手カンチョーは止めんべーぜー・・・!」
着替えを心配して申し出たのだが、そんなことにはお構いなしだった。
「このワザはなー、必殺ワザだでー・・・スペシャルなんだよー・・・ス・ペ・シャ・ル・・・プレミアムなんだよー・・・プ・レ・ミ・ア・ム・・・!」
何がスペシャルなのか、何がプレミアムなのか、意味が不明であったが・・・彼は、完全にイッテしまったため、止めることはできなかった。
ヘモグロビン酸Cを飲んだ時のような、「やる気・元気・勇気」の三拍子そろったウルトラおっさん少年になっていたのだ。
!!!!!!!
「そんなら、今度はオレたちの番だんべー・・・そうだんべー・・・みんなで、やってみるんべーじゃねーかー・・・!」
タケの一言で、急に風向きが変わってきたのだ。
「そうだんべー・・・そうだんべー・・・オレたちも、練習をするんべー・・・!」
「そうだー・・・そうだ・・・今度は、オレたちの番だんべー・・・!」
全員が、タケの言葉に同調したのだ
・・・一瞬、隊長の顔がピクリと動いた。
「んじゃー、やってみるかなーー・・・!」
トラオの掛け声で、全員が隊長のコウモンをめがけて「秘技・手カンチョウー」を、いっせいに仕掛けたのだ。
「1・・・ズボッ・・・2・・・ズボッ・・・3・・・ズボッ・・・!」
「1・・・ズボッ・・・2・・・ズボッ・・・3・・・ズボッ・・・!」
「う・・・・・う・・・・・う・・・・・う・・・ギ・ブ・アッ・プだんべー・・・!」
団員の連続攻撃に、さすがのチミー隊長も早々に音を上げてしまったのだが、彼等はそう簡単には許さなかったのだ。
「隊長、まだ早えーよー・・・チノビは卑怯者だ・・・きったねえ野郎だ・・・プタ野郎だ・・・チノビなんかに負けねーぞー・・・勇気を出して、立ち上がってくだせー・・・さあ、早く・・・勇気を出して、立ち上がってくだせー・・・!」
ハツがニヤニヤしながら、冷たく言い放つたのだ。
・・・それに、トラオも続いたのだ。
「隊長・・・このワザは、必殺ワザですー・・・スペシャルなんですー・・・ス・ペ・シャ・ル・・・プレミアムなんですよー・・・プ・レ・ミ・ア・ム・・・!」
この一言で、またしても全員が隊長のコウモンをめがけて「秘技・手カンチョウー」を、仕掛けたのだ。
「1・・・ズボッ・・・2・・・ズボッ・・・3・・・ズボッ・・・!」
「1・・・ズボッ・・・2・・・ズボッ・・・3・・・ズボッ・・・!」
「う・・・・・う・・・・・う・・・・・う・・やめてくれー・・・ギ・ブ・アッ・プ・・・・もう・ギ・ブ・アッ・プだんべー・・・!」
全員が、怪しい微笑を浮かべ、モノノケに取りつかれたように、一気に突き進んでいったのだ。
そして、知らぬ間に、アブナイ世界へと行ってしまったのだ。
「1・・・ズボッ・・・2・・・ズボッ・・・3・・・ズボッ・・・!」
「1・・・ズボッ・・・2・・・ズボッ・・・3・・・ズボッ・・・!」
「う・・・・・う・・・・・う・・・・・う・・やめてくれー・・・ギ・ブ・アッ・プ・・・・たんと・たんと・ギ・ブ・アッ・プだんべー・・・!」
隊長は団員の攻撃に耐えきれずに、のたうちまわっていた。
再び、トラオが諭すように語りかけたのだ。
「隊長、まだまだ行けますよー・・・まだまだ行けますよーー・・・ウ・ヒョ・ヒョ・ヒョー・・・このイタズラな指が、暴れたくて、騒いでいるんですよー・・・ウ・ヒョ・ヒョ・ヒョ・ヒョー――・・・!」
続いて、高揚感に包まれたハツが、低音で怪しくささやいたのだ。
「隊長、大丈夫ですよー・・・いつもの根性を見せてくだせー・・・あんたは、たんとデキル子です・・・ウ・キ・キ・キ・キ・・・いけます、いけますともー・・・まだまだ序の口ですぜー・・・ウ・キョ・キョ・キョ・キョ・・・このカワイイ指が、暴れたくて、止まらないんですよーーー・・・・!」
彼等は不気味な微笑を浮かべながら、完全にイッテしまっていた。
「1・・・ズボッ・・・2・・・ズボッ・・・3・・・ズボッ・・・!」
「1・・・ズボッ・・・2・・・ズボッ・・・3・・・ズボッ・・・!」
「う・・・・・う・・・・・う・・・・・う・・やめてくれー・・・ギ・ブ・アッ・プ・・・・たんと・たんと・たんと・たんと・ギ・ブ・アッ・プだんべー・・・!」
・・・しばらくの間、チミー隊長の叫び声が、秘密基地に虚しくこだましていたのだーーーー・・・!
☆バンビー
P.S
チミー隊長への「秘技・手カンチョー」攻撃は、10回戦まで続いた。
・・・そして、彼は無残にも、一生分の脱糞をしてしまったのだった。
このことが原因だったのか・・・後年、チミー隊長の趣味が変わって行ったのは確かなことであった。
来月号に、つ・づ・く  ♪ ♪ ♪
【語り手】アーノルド♥ハカチェ∽ソクラテス