第2章 アーノルド♡ハカチェ∞ソクラテスの追想(48)
「クメーーーーー、クメーーーーー、クメーーーー!!!」
ありったけの声で叫んでみたのだが、クメには届かなかった。
パニック状態に陥った私は、無我夢中でクメをめがけてダイブしたのだ。
「クメーーーーー、クメーーーーー、クメーーーー・・・いま、助けてやるぞー、まっているんだー!!!」
得意のクロールで、思いっきり前に漕いだのだ・・・・・が、表面が固くてなかなか進むことができなかった。
そこで、すばやくバタフライにチェンジしたのだ。
すると、少しずつ前進することが出来た。
「クメーーーーー、クメーーーーー、クメーーーー・・・まっていろよー、いま行くからなーーー!!」
体を前後にくねらせ、必死の形相で前進した・・・が・・・・・
思っていた場所には、クメの姿はなかったのだ。
「コエダメ」の中に、完全に埋没してしまったのだ。
「クメーーーーー、クメーーーーー、クメーーーー!!・・・クメちゃーーン・クメちゃーーーん・クメちゃーーーん!」
憎っくきチノビにより、奈落の底へと引きずり込まれてしまったのだろう・・・
そう思うと、急に、涙が湧いてきた。
「クメちゃーーン・クメちゃーーーん・クメちゃーーーん・・・クメちゃーーーん・カンバーーック・クメちゃーーーん・カンバーーック!」
クメの姿を思いうかべて、だらしなく大号泣してしまったのだ。
!!!!!!!
だが・・・不思議なことに、私の体が静かに空中に浮遊し始めたのだ・・・!
「こ・こ・こ・これは、チノビの仕業かーーー・・・お・お・お・おんそるべしーー・おんそんるべしーーーーーー・・!」
私は、まばたきを何度もして、状況を把握しようとしたのだが、さっきのダイブで、メガネを紛失してしまい、視界がぼやけてしまっていた。
・・・・・落ち着いて周囲を確認すると・・・な・な・な・なんと・なんと――――・・・とん・とん・トンガラシー――――、ラン・ラン・ラッパ吹きーーー・・・・・!
飛んでも8分、歩いて3分・トラオの頭はコプラツイストーーーーー・・・!
タケの頭は水戸納豆・・・・・突然、巨大なモアイが出現したのだーーーーー!
しかも、モアイの腕の中に、私がいるではないかーーー・・・・・
カラスの寛一郎さーーーん、ネコの猫山さーーーん!
何故だー、何故だーー、何故なんだーー、どうしてモアイがここにいるんだーーー!
この巨人は、チノビなのかーーーー・・・!
私の思考回路は、完全にバグッてしまった。
・・・その時だった。
ガクン・ガクン・カックーーーン・・・ガクン・ガクン・ガックーーーン・・・!
みごとに糞尿にまみれたモアイが、動きはじめたのだ。
まさに、カオス・・・・これは、カオスだーーーー・・・カオスだんべーーー弁当屋のベンノスケさーーーん、牛乳屋のギュウゴロウさーーーーん・・・!
この不思議な現象は、ニュートン力学では証明ができないぞ。
そうだ・・・これは、私が以前から提唱している「ナンダ・カンダ・イナリ山現象」ではないだろうか。
チノビは時空の歪みをうまく利用して、我々「少年ホース」に戦いを挑んできたのだ。
おんそるべしーーーー・・・おんそるべしーーーー・・・おんそるべしーーー・!!!!
!!!!!!!!
私の混乱をよそに、とうとう、モアイは「コエダメ」から抜け出したのだ。
腕の中にいた私は、クレーンで吊るされた荷物のように、静かに地上に下ろされた。
・・・見上げると、モアイは巨大だった。
まるで、イナリ山スカイツリーのように、ズドーーーンとそびえ立つていたのだ。
しっかりと糞尿を身にまとい、それが溶岩のようにゆっくりと地上に落下していた。
ポタリ・・・ポタリ・・・ポタリンコーーーン・・・!
太陽の光を浴びて、何故か神々しく見えた。
これは、糞尿にまみれた悪魔なのか・・・はたまた、糞尿にまみれた天使なのか・・・?
少しずつ自分を取り戻すと、コエダメの強烈な悪臭で、鼻が右に45度、ひん曲がってしまっていたのだ。
バンビー。
来月号に、つ・づ・く ♪ ♪ ♪
【語り手】アーノルド♥ハカチェ∽ソクラテス