第2章 アーノルド♡ハカチェ∞ソクラテスの追想(54)
「・・・ところで・・・チノビって、どんな顔をしていたんきゃ・・・?」
トラオが神妙な顔つきで、質問をしてきたのだ。
「そうだ、そうだ、どんな顔をしていたんだよー・・・?」
ハツとタケも、同調するかのように、疑問をぶつけてきた。
「うーーーーん・うーーーーん・・・そうだなー・・・そうだなーーー・・・!」
・・・私が考えあぐねていると、隊長が一瞬の隙を突き、ヌーヌーと強引に割り込んできたのである。
「やっぱりボクには、神奈川県だんべなーーー・・・!」
凝りもせず、隊長の無謀なチャレンジは、続いていた。
・・・瞬間、全員が静まり返り、またしてもパソコンの画面が完全にフリーズしたかのように、時が止まってしまった。
しかし10秒後・・・何事もなかったかのように、会話は進んで行った。
「もう、いいかげんにしてくれ・・・!」と、言わんばかりに、全員の冷たいビーム光線が、隊長めがけて一気に突き刺さったのだ。
彼は、相手にされない孤独に耐えかねて、負け犬のゴン太郎のようにワンと小さく叫んで、後方に引き下がった。
そして、一人ラジオ体操第2を、ヤケクソではじめたのだ。
「そうだな・・・そうだなー・・・あ、そうだ、モアイのような顔をしていたどー、でっけーモアイだよ・・・!」
私は思いつくままに、適当に答えたのだ。
「すげー・・・でっけーモアイだとよー・・・それは、すげーぞーーー・・・!」
「すげー・すげー・すごすぎるぞー・・・でっけーモアイだぞー・・・!」
「すげー・すげー・すげーー・・・そうか、でっけーモアイかー・・・語るねー・語るねー・・・語っちまうねーーーー・・・語り部次郎さーーーーーーん・・・!」
モアイという未知の言葉に、全員がマックスに盛り上がったのだ。
!!!!!!!!
「・・・あのよー・・・モアイって何だっけー・・・ン・ン・ン・・・?」
一人ラジオ体操第2をやっていたチミー隊長が、オニのような形相で、またしても、なりふりかまわず割り込んできたのだ。
顔をジョロキアのように赤く染めて、絶対にストーリーの主人公になってやるぞと、言わんばかりに、果敢にアタックしてきたのだ。
「質問でーす・・・モアイって何だっけーー・・・ン・ン・ン・・・教えてー、モアイ君―――――・・・ン・ン・ン・・・?」
一瞬、全員が静まり返り、完全に話がフリーズしてしまった。
しかし10秒後・・・零下50度のウルトラビーム光線が、隊長を目がけて一気に発射されたのだ。
隊長は、ワン・ワーン・ワーーーーーンと大きく叫んで、利根川の土手を這い上がって行った。
そして・・・目に涙を、たんと浮かべ・・・一人ピンポンパン体操を、大号令を掛けながら、始めたのだーーーーーー・・・!
!!!!!!!!
お一人様体操に励む隊長を尻目に、話はますます盛り上がって行ったのだ。
「やっぱりさー、トルストイ・富雄くんよりスゲーよなー・・・!」
ハツが、感動して思わずつぶやいた。
「いんやー、トルストイ・富雄くんどころの話じゃねーぜー・・・モンゴメリー・チカコさんよりスゲーんべー・・・!」
タケも、夢見心地で続いたのだ。
「いんや、いんやーー、モンゴメリー・チカコさんどころの話じゃねーぞー・・・ヤングマン・ミチオくんよりスゲーだんべなー・・・!」
トラオも、両目をグイーーン・グイーーンと回転しながら、何度も何度も称賛したのだ。
「いんや、いんや、いんやーーー、ヤングマン・ミチオくんどころの話じゃねーぜ・・・カサブランカ・ヨネオさんよりスゲーんべー・・・!」
ついに、カサブランカ・ヨネオさんの名前が出たところで、話はマックスに達したのだ。
だが・・・お一人様ピンポン体操に励むチミー隊長は・・・・・・完全に、カヤの外だったのだーーーーーーー・・・!!!。
ニャ・ニャ・ニャ・ニャンコロリ―――ン・・・!
バンビー。
来月号に、つ・づ・く  ♪ ♪ ♪
【語り手】アーノルド♥ハカチェ∽ソクラテス