第2章 アーノルド♡ハカチェ∞ソクラテスの追想(79)
中級者コースを見事にクリアーしたハツは、当然のように、上級者コースへと、ステップアップして行ったのだ。
今度は、自信満々に荒縄3本を手に取り、余裕をかましながら・・・ルンルン気分で「イチ・ニー・イチ・ニー・イチ・ニー・・・!」と、リズミカルに、シゴいたのである。
・・・またまた・こ・こ・こ・・・これはゴク・イイー・・・ゴク・イイーー・・・ゴク・イイゾーーー・・・ゴクラクだーーーーー・・・・・!
シンビレルー・・・シンビレルー・・・これは最強のグッズだんべー・・・・・!
清らかな利根川の流れに身を委ねているかのような・・・たんと心が洗われる思いだった。
ハツは今、荒縄界のライオンキングになろうとしていた。
・・・オレはビックだ、オレはグレートだ、オレは荒縄をパーフェクトに使いこなす男なのだー・・・・・ミスター・荒縄マンと呼んでくれー・・!
彼のボルテージは、マックスに達しようとしていた。
・・・そして、とうとう・・・プロコースにチャレンジする時がやって来たのだ。
彼は、威風堂々と荒縄4本を手に取り、いきなりラジオ体操第一を開始したのだ。
「機は熟した・・・オレはプロフェッショナルだ・・・今こそ・・・荒縄界の頂点に君臨するのだー・・・・!」
思いっきり深呼吸をし・・・・・エイ・エイ・エイと気合を入れて力強くシゴいたのである。
ウー・ウー・ウー・・・ウー・ウー・ウー・・・ウー・ウー・ウー・・・・・!
・・・しかし・・・・・何故か・・・違和感を覚えたのだ。
今までとは、何かが違う・・・何かが違う・・・・・!
おかしい、おかしいぞ・・・なんでやねーーん・・・・・!
・・・10秒後・・・突然、強烈な痛みとカユミが襲ってきたのだ。
患部を左手でなぞってみると、出血をしていた。
・・・これは・・・これは・・・コケコッコー・・・コケコッコーーー・・!
みごとに、荒縄のササクレが、肛門に突き刺さったのだーーーー・・・!
まさに、天国から地獄へ・・・・・形勢逆転・・・・・荒縄界のライオンキングは、奈落の底へと真っ逆さまに、転落して行ったのである。
ウオー・ウオー・ウオー・・・ウオー・ウオー・ウオー・・・・・・!
彼は、トイレの引き戸を思いっきり蹴飛ばして、外へ飛び出したのだ。
!!!!!!!!!!
P.S
それから一分後、ハツがギャロップをしながら、秘密基地にやって来た。
よほど、慌てていたのだろう。
その証拠に、下半身が完全に露出していた。
ズボンを着用する余裕さえ、失くしていたようだ。
「おい、ハカチェ、早く診てくれ、たのむ・・・このとおりだ・・・!」
彼は、救護係の私の前で、必死の形相で懇願した。
そして、肛門を素早く突き出したのである。
一瞬、ドッキリかと思ったが、彼は本気だった。
吹き出しそうになるのを何とかガマンをして、慎重に患部を観察すると、荒縄のササクレが、何本も肛門に突き刺っているのを確認したのである。
「何をやってんだよー、おめーはー・・・・・!」
私は、すぐにピンと来た。
「やったなー・・・おめー・やりやがったなー・・・・・!シロウトは使用不可って書いてあったんべなー・・・・・!なんで、新聞紙を使わなかったんだよー・・・・・!」
「そんな事はいいからよー、たのむよー・・・・・たのむよーー・・・!」
助けてくれと、ハツは泣きながら、必死に両手を合わせた。
私は、救急箱からピンセットを取り出し、肛門に細かく突き刺さったササクレを抜き取った。
そして、たっぷりとメンソレータムを塗り込んでやったのだ。
しばらくすると、メンソールの爽快な香りが、秘密基地に充満した。
「アホーだな・・・なんで、新聞紙を使わなかったんべなー・・・!」
トラオが、嘲笑していた。
「そうだよなー・・・あんなもん、子供は、使用禁止だぜー・・・ハツの奴、よくやるよなー・・・・・!」
チミー隊長も、お手上げのポーズをしながら笑っていた。
団員たちは、ハツの肛門を観察しながら荒縄の恐ろしさを、改めて認識したのであった。
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来月号に、つ・づ・く  ♪ ♪ ♪
【語り手】アーノルド♥ハカチェ∽ソクラテス