第2章 アーノルド♡ハカチェ∞ソクラテスの追想(82)
「放蕩者の○○爺さん」についてのアンケート調査を実施したところ、次のような特徴があることが判明した。
1 話がクドイ。
2 胸元が赤い。
3 普段は節約家である。
4 夜になると、オオカミ男のように変身する。
5 朝の一番鳥が鳴くと、急に静かになる。
6 やたらと、「オレみたいになるな」と、卑屈になる。
7 誰も知らないご先祖様の話を、得意になって語る。
8 過去の数少ない成功体験を自慢する。
9 ランニングシャツとトランクスが良く似合う。
10 すぐに上半身を露出する。
以上のような、結果だった。
これらのデーターを詳細に分析していくと、次のような考察に行き着くのである。
まず、「1 話がクドイ。」というのは、誰でも経験済みだろう。
特に初対面の相手に対しては、マシンガンのように連射攻撃を仕掛けるから要注意である。
○○爺さんだと気づいたら、躊躇することなく瞬時に避難をしなければならない。
カモだと判った瞬間、みごとにアリ地獄に引き込まれてしまうのだ。
「2 胸元が赤い。」というのは、単なる酒焼けのせいである。
素早く酔いたい為に、アルコール度数の高い物を愛飲しているのだ。
そのため、首筋から胸元にかけて赤くなっている。
「3普段は節約家である。」というのは、「2 胸元が赤い。」と関連している。
要するに、酔うために資金を節約しているのである。
孫に小遣いをくれないケチな○○爺さんは、特に評判が悪い。
「4 夜になると、オオカミ男のように変身をする。」は、まさにその通りである。
昼間は、借りてきたネコのように静かにしているのだが、太陽が西に沈む頃になると眼球がランランと輝き、早くも臨戦態勢に入るのだ。
満月の夜は、まるでホルモン酸Cを飲んだかのように、超元気になってしまう。
縦横無尽にイナリ山を徘徊し、ゴキゲン爺さんをやっちゃうのだが、朝の一番鳥が鳴くとガス欠を起こした軽トラのように、急に静かになってしまうのである。
「6 やたらと、オレみたいになるなと卑屈になる。」は、毎日変身を繰り返しているうちに、なんとなく自分の姿に気づくのである。
だから、唯一話を聞いてくれる孫に、とくとくと語るのだが、これがまるっきり説得力のないトークなのである。
何故なら、また同じことをヤラカしてしまうからだ。
「7 誰も知らないご先祖様の話を、得意になって語る。」は、まさにフィクションの世界である。
誰も知らないのだから、何を語ってもかまわない。
まさに、○○爺さんの独断場である。
「8 過去の数少ない成功体験を自慢する。」
人は、過去に一つくらいは自慢できる成功体験があるものだ。
例えば、上手くチャリンコに乗れたとか、たまたまシンミセのクジが当たったとか等である。
しかし、○○爺さんは、ささやかな成功体験を得意のトークで、大盛に盛ってしまう。
聞いているうちに、すぐにフィクションだとバレてしまうのだ。
「9 ランニングシャツとトランクスが良く似合う。」と「10 すぐに上半身を露出する。」は、共通している。
○○爺さんは、不思議と寒さに強く、一年中薄着なのである。
普段からアルコールが入っているため、床暖房のように、体が暖まっているのだろう。
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人は、誰でも平等に歳を取っていく。
孫から愛されるような◎◎◎爺さんに、なりたいものである。
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来月号に、つ・づ・く  ♪ ♪ ♪
【語り手】アーノルド♥ハカチェ∽ソクラテス