第2章 アーノルド♡ハカチェ∞ソクラテスの追想(97)
ハツに続いて、ロクがズンと立ち上がったのである。
天を仰いだ彼の目は、完全にイッていた。
あの物静かなロクが、不敵な笑みを浮かべながら・・・ボソボソと呟いたのだ。
「なー・・・オレの指を見てくれよー・・・ワンパク小僧がよー・・・暴れたがっているんさーねー・・・お天道様がお許しになっても、この指が許さねーってよーー・・・ホレ・ホレ・ホレ・ホレ・ほーれんそー・・・ほうれんそーのソウスケさーーーん・・・!」
彼は絶叫を繰り返しながら、ハツの後に続いたのだ。
・・・・それを見た瞬間・・・私の脳ミソは、カミナリに打たれたかのような強烈な衝撃を受けた。
「ウオー・ウオー・ウオー・・・キタ・キタ・キター・・・来やがったー・・・オイラのイタズラっ子の指が、勝手にブレイクダンスを始めちゃつてるぜーー・・・この、おバカさんがよー・・・早く、手カンチョーがしたいって、言うことを聞かないんだよー・・・キョ・キョ・キョ・キョ・キョ・キョーーーン・・・!」
・・・何だろう・・・この、心の奥底から湧いてくる、得体の知れないエネルギーは・・・まるで、ツル大先生が愛飲している「ヘモグロビン酸D」をガブ飲みしたかのような衝撃だ。
そうなのだ・・・私のオチャメな指は、誰からも命令されたわけではない。
自分の意志とは関係なく、勝手に動き出してしまったのである。
・・・何かに引き寄せられるかのように・・・私はギューンと立ち上がった。
そして、示し合わせたかのように三人は隊列を組み、ニン・ニン・ニンと叫びながら、焼却灰で自爆したトラとヤマのもとに向かったのだ。
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「このアマ、出てこいやー・・・どこに隠れてんだ・・・!」
「勝負しろやー・・・出てこんかい・・・クソッタレめー・・・!」
二人は、ゴホン・ゴホンとセキ込みながら、必死の形相でカズコを探していた。
だが、目に沁み込んだ灰により、視界が狭くなっているようで、風鈴のようにフラフラと揺れながら、そこに立っているのが精一杯のように見えた。
・・・我々は静かに・・・風のように・・・そして音もなく・・・近づいた。
「ニン・ニン・ニン・・・ニン・ニン・ニン・・・・・!」
憎悪の籠った呪文のように、同じ言葉を何度も口ずさみながら二人を取り囲んだのである。
「うわー・・・何んだーテメーたちは・・・・・!」
目の中に突然飛び込んできた姿に、トラとヤマは狼狽し尻餅をついた。
「誰だーテメーたちは・・・この野郎めー・・・!」
二人は、ワメきながらも立ち上がり、ファイティングポーズをとったが、それが限界だった。
「ウ・キョ・キョ・キョ・・・ウ・キョ・キョ・キョ・・・・キョーーーン・・・!実は、実は、週刊実話・・・このカワイイ指が、暴れたがっているんですよー・・・ホレ・ホレ・ホレ・・・あなたたちの肛門が呼んでいるんです・・・!」
ハツは不気味な笑みを浮かべながら、忍者のように両手を合わせた。
「キョ・キョ・キョ・・・キョ・キョ・キョ・・・!
「私のオテンバな指も、大暴れをしたいと言っているんです。もー、カワイイですねー!」
ロクがケンちゃんのように、1オクターブ上の高音でウイスパーをかました。
彼はテッペンを突き抜けて、別の世界に行ってしまったようだ。
・・・次は、私のターンだ。
「テ・ヘ・ヘ・ヘ・ヘ・・・テ・ヘ・ヘ・ヘ・ヘ・・・・・!♪ネコフンジャッタ、ネコフンジャッタ、ネコフンジャッタ♪勝手に、ネコを踏んでは、いけませーん。りっぱなあなたの肛門に、お仕置きでーす。このオテンバな指が許しませんよー・・・!」
ハイになった私は、思いっきり叫んでいた。
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「そろそろイッちゃおーかなー・・・!」
ハツはそう言うと、素早くヤマのバックに回り込んだのである。
そして、ゆっくりと両手を合わせて、大きく円を描き、ヤマの肛門に必殺ワザを仕掛けたのだ。
「1ズボ・2ズボ・3ズボ・・・1ズボ・2ズボ・3ズボ・・・・・!」
出たー・・・出たー・・・ついにカマしやがった・・・!
偉大なるチミー隊長の門外不出のワザ・・・手カンチョーだー・・・!
彼は、厳しい修行を乗り越えて、完全に自分のものにしていた。
すごいぞー・・・すごいぞー・・・すごすぎるぞー・・・!
・・・続いて、ロクがトラのバックに回ったのだ。
基本に忠実に、両足のポジションをしっかりと決めて、大きな円を描き、魂の手カンチョーを繰り出したのだ。
「1ズボ・2ズボ・3ズボ・・・1ズボ・2ズボ・3ズボ・・・・・!」
決めた・・・決めた・・・決めやがったー・・・・・!
ハツに続いて、彼もパーフェクトなワザを披露したのだ。
手カンチョーの完成度に満足したのか、ロクがニヤリと笑った。
・・・今度は、私の番だ。
スカしながら立ち上がり、躊躇することもなく、トラとヤマに近づいて行ったのである。
ゾーンに入ったようで、もはや何も怖くはなかった。
私は天空をめがけて、静かにエアーカンチョーのポーズをとった。
そして、決して臆することなく二人の肛門をめがけて、必殺技を繰り出したのだ。
「1ズボ・2ズボ・3ズボ・・・1ズボ・2ズボ・3ズボ・・・・・!」
確かな手ごたえを感じて、私はニンマリとほくそ笑んだのである。
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来月号に、つ・づ・く ♪ ♪ ♪
☆バンビー
【語り手】アーノルド♥ハカチェ∽ソクラテス